題名   




■ 1月30日


雪化粧。
いったいだれが、いつ、この言葉を発したのかと思う。それほどまでに美しい朝がカーテンをあけると目の前にあった。うっすらと積もった雪で今までとは違う世界が現れるのだから、天のいたずらとでも言おうか、われわれにはなし得ない自然の業にただただ感嘆するのみで、キレイとかウツクシイとか幼い子どもでも言える単純な言葉しか出てこない。だからこんな光景を雪化粧と表現した人物がいつの時代を生きていたのか、どんな人なのか知りたいと思った。
雪を積んだ植物はみな頭を下げて、おはようと挨拶しているようにも見えるし、ゴメンナサイと謝っているようにも見える。白い衣はどんな植物にもお似合いで、この日を心待ちにしていた花嫁のよう。雪衣(ゆきごろも)とでも名付けようか。すでにありそうな…。