題名   




■ 8月9日


蝉が元気よく鳴いている。「しね、しね、しね」と聞こえるこの時が一番暑いような気がする。暦の上では立秋。その途端に猛暑が戻って来た。
7月初旬の猛暑日で2本のオリーブのうち1本の葉っぱが完全に枯れてしまった。あっという間に茶色くなってぱらぱらと落ち始めた。固くなった細長い葉がカラカラと音をたててベランダを走る。掃除も大変なので全ての葉を取ってしまったら、枝だけの何だかわからない植物になった。あれから一月、再び青い芽を出し緑が戻ってきた。もうこのまま枝も枯れてしまうのかと心配したけれど、復活が早かったのは、こんな暑い中でも次の葉っぱはちゃんと外へ出る準備をしていたから。ついに落葉したときに、今だ!と顔を出したのだ。
植物は休むことなく生きている。人間と同じで暑さや寒さに参ってしまうこともあるけれど、やはり次を整えてその時を待っているのだ。丁寧にていねいに生きている気がする。こんなに暑いとベランダに出るのも億劫だけれど、朝起きて植物の様子を見て水やりをすることで、こちらも元気になってくる。副交感神経のためにも大切なことだ。
それにしてもちょっと寂しいベランダ。今夏咲いているのはこぼれ種から出てきた白い小さな朝顔のみ。やはりもう少し元気がいっぱいもらえるように、今からでも夏の花苗を買ってこようかと思う。でも買い物に出るのも勇気がいるほどの暑さ。今日も猛暑日となるか…。
暑くならないと咲いてくれない蓮も首がこんなに曲がってしまって、この厳しい暑さには参っているように見える。