題名   




■ 8月23日


炎天下、ひまわり畑に出かけた。
初めての場所だったので地図を頼りに歩き出したものの、さっぱりわからず不安になった。遠くに「ひまわりまつり会場↑」の看板を見つけやっと安堵した。歩いても歩いても次の看板が見つからず、また不安になって、徒歩15分と記載されていた場所にたどり着くのに40分もかかってしまった。
暑さでくらくらになりながらやっとの思いで展望台に上ると黄色い世界が一面に広がっていた。ひまわりがみんな一斉にこちらを向いている。「がんばったね、ようこそ」と歓迎してくれているかのように見えて嬉しくなった。この感動があるから暑くても重くても出かけてしまうのだと改めて思う。
写真を撮り始めて数分したところで、偶然師匠にお会いした。昨秋の個展以来だから久しぶりだ。なんだか急にホットして、先生一緒に帰りましょうとこちらから誘ってしまった。先生は朝5時半から来られていてあと1時間で帰られるというので、短時間だから頑張ろうという気持ちになった。ところが暑さで集中力がすぐになくなってしまった。
先生が遠くからこちらに手を振っていたので行ってみると、テントの中で真っ赤なスイカを食べていた。何かを買えばスイカを一切れいただけるというので一番軽そうなプチトマトを買ってスイカをゲット。冷たくないのに、甘さとたっぷりの水分で生き返った。さあ、と思った時には残り時間が少なくなっていたのだけれど、黄色の畑を見渡すことができただけでも十分満足だった。もう少し早い時間帯にまた来ようと決めた。一人じゃないから田んぼの広がる道の途中で暑さに倒れても大丈夫と思ったら安心できた。もし一人だったらもう二度とと思ったに違いない。
駅までの道はやっぱり長くて暑くて、着ていた首周りの大きく開いたブラウスは半分くらい汗が染みて電車に乗るのが恥ずかしいほどだった。さらに恥ずかしいのは帰宅して初めてわかった後ろの首まわりの日焼け。保冷剤を巻いた手ぬぐいを首に巻いていたら、ブラウスとの間に隙間ができていてしっかり茶色になっていたのだ。背中にV字、大きなブーメランをしょっているみたい。腕はしっかり長い手袋でカバーしていたのに肝心なところが抜けていた。もうこのブラウスは着れないし、こんなに暑いのに暫くはスカーフで隠すしかない。夏用のスカーフなんてあったかな…と探していたら見つかった。先月のはすまつりの折りスカーフ染めのワークショップをやっていて、私は友人と二人で参加したのだ。蓮の茎を煮だしたもので染めたシルクを、鉄や銅で媒染したシブイやつ。蓮自体ではうす黄色に染まるのだが、鉄や銅の働きによって茶色とグレーのシックなものになった。ここしばらくはこれにお世話になろうと思う。
ああそれにしても暑い。ブーメランは汗を拭けば痛いし乾けばかゆい、蝉は絶好調。この暑さはいったい…とため息ばかりの毎日。