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 1月7日


2013年、新しい年が始まった。
この Flower Note の昨年の正月の記事を読んでみると、これから記そうとしたこととほぼ同じで笑ってしまった。今年は昨年のようなギックリはなく、元気で過ごすことができた。幸いまだ風邪もひいていない。
けれど反省すべきは、やっぱりカラダのこと。これを食べたいという自身の欲求と身体の思いというのは必ずしも一致しないということに気がついた。
大好きなゴボウ天(うどん)が最近こちら(東京にはなかった)でも食べられるようになった。福岡に住んでいた頃、まだ小学生だった私はゴボウ天が大好きで本当によく食べていた。懐かしくてゴボウ天の文字を目にするたび、食べたくてたまらなくなって、昨日もマルカメでぺろっと。ところが胃の調子が悪くなり後悔、原因は油のとり過ぎに違いない。
正月は気をつけていても食べ過ぎる。テーブルには賞味期限スレスレのお菓子が山のように積まれていて、どれを食べようか、何から食べようかと悩むほど。過食はやっぱりツケが必ずまわってくるのだ。わかっているのに手が伸びる(笑)、笑ってられない時が来る。すでに遅しとならないよう、欲求よりも身体にお尋ねして…と反省しきりの新年である。

「ちょっと〜食べ過ぎないでねぇ!」って言っているように見える写真。サザンカの背景は紅葉、師走の新宿御苑にて。



 11月22日


西側の窓の通りの向こう側にナンキンハゼがあった。
朝カーテンを開けるたび、冬が近づいていることをその葉っぱの色と残った量で確かめることができた。
今年はその美しい木の姿を見ることができず寂しい。というより悲しい。
歩道には街路樹のハナミズキと壁側にナンキンハゼの2種類が植えられていたのだけれど、今年の春ちょうどサクラが満開の頃、根元から切られてしまった。ナンキンハゼは切っても切っても元気よく枝を伸ばす。電線に触れるからという理由であろうか、とにかく今回は随分思い切って短く切ったなぁと見ていた翌日、突然なくなった。言いようのない怒りと悲しみがわいてきて、おさえきれない数日間を過ごした。というより、半年も経った今もなお怒りは治まってはいない。
切られてしまった15本の木は現在ひこばえが伸びて、私の背丈をゆうに超えるくらいになっている。けれど壁際にあるこれらは背が低いので十分に光を受けることができず、葉はほとんど緑で紅葉していない。写真はやっとみつけた赤い葉っぱたち。足下から切られた木は、痛みを背負ったまま生きているのだろうと思う。細い枝は葉から栄養をもらうことができず、葉もまた陽当たりが悪いために糖を作ることがむずかしい。それでもここまでがんばって成長しているのだ。生きていてくれてありがとうと声をかけた。近所の公園の切られたモミジバフウのひこばえは処分されて切り株になってしまったけれど、この15本のナンキンハゼのひこばえは切られることなく無事生き続けてほしいと願ってやまない。今朝カーテンを開けたら、赤い葉っぱが昨日より増えたように見えて少しほっとした。今日もがんばろうと思った。



 9月21日


フウセンカズラの種。
実が茶色くなってきたので収穫した。
実ができたあたりから暑さが厳しくなって成長もストップ。陽射しが強すぎてすぐにへなへなになるので、ベランダの陽のあたらない隅っこへ移動し半日陰で管理していた。
フウセンカズラも終わりかな…と思いきや、10日ほど前から急にツルが再び伸び始めた。今は白い花をたくさんつけて、小さな実も見られるようになった。蜂に受粉してもらうため陽当たりのよい目立つ場所に戻した。長い休みを終えてまた元気を取り戻した感じだ。子どもの夏休みとちょうど同じくらいの期間だろうか、植物も本当に暑さの厳しい期間は体力維持のために休むのだとわかった。
なまけぐせを暑さのせいにしていたここ一月あまりを振り返って後悔していた私は、フウセンカズラも休むことを知ってなぜか安堵し、「これでいいのだ〜。ぼんぼんバカボンなのだ〜。」ってことにした。



 9月3日


「あつ〜い、暑い!」を日に何度も連呼する毎日。
東京の夏日が連続29日のニュースは、普通なら驚くだろうけれど、「やっぱり、そっかー」と納得。いつもの年とは違う「あっつい感」は冷めることのない地上の熱と雨が少ないせいだとわかる。
それにしても動きの悪かった夏。花火もヒマワリもレンゲショウマも行きたいのに暑さと疲労感に負けてしまった。いつでもアグレッシブってわけにはいかないなぁと振り返る。できなかったアレとかコレを年のせいにしないで、全部暑さのせいにして忘れようと決めた。
9月になった途端、大雨が降ったり止んだりで気温が下がった。そろそろ動き出さないと間に合わないことがいろいろとある。やっと重い身体を動かす時がやってきた。とりあえず部屋の片付けと掃除からスタートの予定、早く動き出さないと今日もまた日が暮れる。
日没の時刻、近所の築山に登ったら空が近くに見えた。西の空は秋の気配。



 7月4日


カルガモの親子に出会った。
かわいくてずっと見ていたかったけれど、時間もカメラもなかったので帰宅し、翌朝もう一度会いに出かけた。
動きが速くてなかなか撮ることができないので、しばらくしゃがんで眺めていたら、カルガモたちも楽しく暮らしているように見えてきた。
カルガモの4羽のヒナは、池を出て自由に歩き回り虫を食べては移動を繰り返している。親はヒナたちの一歩前に立ち、あたりを見回している。ヒナが離れるとあとを付いて行き、また一歩前に出て見張りをしているのだ。ヒナたちが一羽ずつ池に飛び込むと最後にすーっと池に入る。親子の関係は人と同じで、親は子を大切に思い愛情をかけて世話をし、子は親を信頼して生きていることがわかった。
基本なのかもしれないけれど、いろいろな重荷を背負って、それができない親子もある。基本ができるというのはあたりまえではなく、ありがたいことなのかもしれない。「撮る」より「見る」が大切だと思う。かわいい!だけだったカルガモたちがぐっとこちらに近づいて来た。



 5月10日


やる、やらない。ここまでならオッケー、いやダメだ。
頑張ったつもりでも結果が思わしくなく、満足できないときがある。まいっかとやり過ごすことができるコトと、そうでないコトがあって、時々歩みがとまってしまう。自分の中のどこかに境界線があるのだけれど、鮮明に見えるものではないから考えこんでしまうのだ。
狭い家の中をマウスのようにくるくると回っている今、ちょっと止まるのも大切だとわかっている。そんな時、私が欲するのは花の香り。
スズランをもらいに行った。仲良く直線に並んでいる。土の中で繋がっているひとつの家族なのだなと思った。一本でも取るとかわいそう…と思いながら一本を切った。やっぱりいい香り。この香りでもう一度やろう、一歩ずつ歩こうと、そんな気持ちになった。



 4月26日


春の公開講座がスタートした。
久々に会った仲間同士が「や〜っ」と片手を挙げてタッチしあっていた。体調が優れずしばらくお休みしていた方だったので、元気であることがわかってなおさらうれしくなって…ということなのだが、私も元気そうなお顔に思わず両手でハイタッチ。
会えてよかったのシルシに笑顔のハイタッチ。言葉じゃなくても十分すぎるくらい相手に気持ちが伝わる。こんな関係が自然に生まれていることが嬉しくてならない。

スタートは雨。が多いのはやっぱり自分が雨女だからだろうか。慣れない場所で新しいメンバーがたくさん加わった中での講座は少し緊張したけれど、それはみんな同じだったようだ。花と向かい合った途端あたたかな空気がすーっと入ってきて、最後は私が撮った写真のポストカードをみんなでじゃんけんをして勝った順に好きなカードを選び持ち帰るという、予測していない展開となった。「最初はぐぅ、じゃんけんぽん!」って童心に還って、なんだか可笑しくて楽しくて…2時間があっという間だった。

あちらこちらで椿が満開。葉っぱの緑も美しい。城山かたくりの里にて。



 4月20日


写真の仲間から電話があった。
「センセイの桜、素晴らしかった!」。
プリンターの調子が悪く予定通りに進まないことや、学校の準備や締め切りの仕事があったりして少しブルーになっていた。
なんというタイミング、嬉しくなった。時間がなくてちゃっちゃと終わらせてしまい、後でまた〜にしたままの桜の整理が褒められるなんて…。こんな時に仲間の一言が力になるなとあらためて感謝した。
早めに寝て、朝の水やりをしたら元気になった。ユリ咲きチューリップ、ビオラ、フリルのパンジー、そしてジューンベリーの白い花。春が来てみんなちゃんと咲いている。

正月用に買った葉牡丹。春が来るとかわいい花を咲かせるので、これが楽しみで昨年末は2鉢購入。こんなに大きくなって…かわいくて仕方ない。ただ天だけを見つめて上へ上へと伸びていく姿に、真っすぐな行き方に真の美しさを感じた。
今、ホトトギスがすぐ近くにやってきた!今年になって初めて聞く美しいホケッキョ。



 3月17日


窓辺に置いたムスカリの小さなちっちゃなランプの中に光が射しているのが見えた。
外は雨なのに光っている。
「ひと雨ごとに春はこちらにやってくる…」と紫のぶどうみたいな花が教えてくれた。



 3月5日


コツコツ。
テーブルを静かに叩く。ドアをノックするみたいに。
何をやってもスムーズにいかない。失敗の方が多くてやり直し、やり直しの繰り返し。妥協すればいいのだけれど、どこまでが許せる範囲なのか…が問題なのだ。
だからコツコツやるしかない。「みんなそうでしょ、コツコツを続けて生きてるのでしょう」と自分に言い聞かせて、フゥとため息をつくかわりにコツコツとテーブルを叩く。なんくるないさ〜と言ってみる。結構イイ音。大丈夫という気持ちになる。やっぱりコツコツだね。

窓辺のアネモネ。球根の花が部屋に春を連れて来てくれた。